痛風で楽しむ指宿


Nさんの実家がある指宿に遊びに行こう!

 

 

 

数ヶ月前、飲みの席で盛りあがり、日程だけ決めたものの、1週間前になっても誰からも何も音沙汰がない。

 

 

 

まあ、よくある話ではあるが、今回のメンバーは僕よりも遥かに忙しい先輩2名との予定だっただけに、むしろ当然ないものだろうと高をくくっていたところ、出発2日前に「鹿児島行くよ!」のスレッドは立ち上がった。

 

 

 

メンバーは当初の予定通り以下3名。

 

 

 

Nさん/43歳

 

Sさん/42歳

 

僕/35歳

 

 

 

今回の目的地である鹿児島県は指宿(いぶすき)が実家のNさんを隊長とし、

以下2名は「痛風」という爆弾を足に抱えている。

 

 

 

出発の金曜夜。

 

Sさんと僕のチームボマー(痛風)は居酒屋でNさんの車を待機。

 

プリン体を避け、生絞りサワーで足をいたわるという配慮はあるものの、ハンドルへの配慮は一切なし。のっけから運転手はNさんを残すのみとなった。

 

 

 

そんな壊滅的な状況を察してか、Nさんの娘さん(中学生)が急遽参戦。運転を頑張るパパへ声援を浴びせるかと思いきや、出発後に割とあっさり寝てしまったので、Sさんと僕は身体にムチ打ってアルコールをさらに摂取し、Nさんを下ネタで応援することに。

 

 

 

 

 

 

結果、予定では鹿児島まで3時間、そこから指宿まで1時間の計4時間で到着の予定だったが、高速の通行止めや、利尿作用に阻害され、到着したのは夜中の3時半。運転し通しだったNさんを労いながらまた飲んで、一日目は終了となった。

 

 

 

翌朝。

 

酔いを醒ましに近くの温泉へ。

 

 

 

 

 

 

Nさんの実家から歩いて5分くらいのところにある「開聞(かいもん)温水健康保養舘」は温泉だけでなく、温水プールも併設しており、おじいちゃん、おばあちゃんが生き生きとスイムしている。

 

 

 

温泉の温度は結構高め。決して広くはないものの、ジェットバスや立ち湯などバリエーションが豊かで、サウナと水風呂と往復しているうちにアルコールも抜けてきた感じだ。

 

 

 

なお、この施設の正面は、海。

 

エントランスのベンチに腰掛け、海風を浴びながらコーヒー牛乳を飲むところまでワンセットで楽しめる。

 

 

 

かるく涼んだら浜辺へ。海にせり出すようにそびえる山は百名山にも名を連ねる開聞岳(かいもんだけ)で、標高は924mとそう高くないものの、きれいな円錐形の山容は想像してたのよりずっと綺麗。特に夜明け前のシルエットはセクシー過ぎるので必見かと。

 

 

 

 

 

 

その後、僕らは浜辺沿いを歩きながら過疎化を憂いたり、犬のクソのでかさに驚いたり、ドライブで来たという女子大生に声をかけたりしながら、その開聞岳へ歩み寄る。

 

 

 

 

 

 

ただ、この時点でSさんは痛風が暴れだしており、僕も臨界点にキッスしそうな予感があったため、本格的な登山はキャンセル。地元民しか知らない抜け道を散策しつつ、開聞山麓自然公園へと足を進めることに。

 

 

 

 

 

 

この自然公園ではトカラ馬という在来馬の中では最小クラス(といってもそれなりに大きい)の馬が山ほど放牧されており、僕らに見向きもせずに草を食べている。

 

 

 

お世辞にも人気スポットと呼べる雰囲気ではないものの、廃墟感が出てないのはこの馬達が雑草を食べてくれているからだろう。なお、入口ゲートが超ラフなので、たまに脱走馬がでるらしいが、住民は寛容で「またかぁ」くらいのリアクションとのこと。

 

 

 

 

 

 

ほかの見所といえば多種多様の植物。サボテンは数百種類あり、テキーラの原料になる龍舌蘭(りゅうぜつらん)とやらを初めて見て感動してたら、馬が盛大に糞をかましていくという一幕があったり。

 

 

 

緩やかな坂を一合目まで登るとひらけた場所に。

 

登ってきた背後をようやく振り返ると佐多岬をのぞむ絶景。当日はガスってたけど、うっすらと屋久島まで見えました。

 

 

 

 

 

 

写真だけだと一部しか切り取れないのが残念だけど、ぐるりと見渡しても絶景に次ぐ絶景だけに、数十年前までは新婚旅行とかの観光地として賑わってたらしい。

 

 

 

当時はレストランとして使われていた建物は今じゃ廃墟に近い物置になってて、これはもったいないと再建のビジネスプランを発表し合っていたら寝てしまうという必然的なアクシデントが発生。

 

 

 

 

 

 

おかげで派手に日焼けした僕ら。

 

下山し地元民とのふれあいを楽しみつつ、次なる目的地へ。

 

 

 

 

 

 

そう、砂風呂である。

 

指宿といえば砂風呂というイメージが強いかと思うので、詳しくは説明しないが、一言いわせてもらうならば「最高」だ。

 

僕の地元、大分にも別府の砂風呂はあるんだけど、今回が初体験。砂をかけられるんだけど、少量でも想像以上に重くて、映画とかである生き埋めとかあれ最低だなと改めて軽蔑した。

 

 

 

なお、この砂風呂「砂湯里」に行ったら、歩いて5分くらいの「たまて箱温泉」もセットで是非。

 

 

 

 

 

 

写真だけでヤバさは伝わると思うけど、この大自然のパノラマを素っ裸で味わうというのは究極の贅沢ではなかろうか。砂風呂とセットで1,130円と、価格破壊とはこのことだ。

 

 

 

「ヘルシーランド」

https://www.seika-spc.co.jp/healthy/

 

 

 

ちなみにこのヘルシーランド周辺は地熱の名所で、ビニールハウスとかも空調いらずだとか。

 

近くにマンゴー農家の直売所ではタイミングさえ合えばB級品(傷が入って売り物にならないけど味は同じ)が安く買えるらしい。

 

 

 

こうして、温泉も3軒制覇し、そろそろビールが飲みたくなった我々はNさん宅へ帰宅。

 

 

 

指宿をウルトラ堪能しまくって、うっかり忘れてたメインイベントを思い出したのが、こちら。

 

 

 

 

 

 

コウモリラン。

 

ご存知の方も多いかと思うので説明は省くけど、Nさんの実家にはコウモリランが至る所に着生しているのだ。

 

 

 

今は亡き親父さんが趣味でくっつけまくってたらしく、そんな思い出の詰まった植物を今回お裾分けしてもらうことに。

 

 

 

 

 

 

遠慮なく乱獲を始める僕をよそに、大切にしてくれる人にあげたいと、マザーテレサの如く微笑ましく見守るNさんマザー。

 

 

 

ほんとありがとうございます!!

 

大切に育てますね!!

 

 

 

そんなこんなで、いつの間にか夕暮れを迎え、魚や鶏刺しをあてに外でビールを飲んでた訳だけど、田舎の夜は冷え込みが半端ない。

 

 

 

ということで、本日2度目の「開聞温水健康保養舘」へ向かったわけだが、朝のゆっくりとした営業とは打って変わり、入れ替わり立ち替わり入り乱れる町民の面々。もちろん、マザーテレサを筆頭にNさんの娘さんやその従姉妹達の姿も。

 

 

みな一様に「こんばんわ~」とか「おうっ」とか声を掛け合い、自然と井戸端会議を形成していく。

 

 

要するに、この施設は集落全員のお風呂であり(当然、各家にもあるが)、毎晩、情報交換が行われるコミュニケーションの最重要スポットなのだろう。お互いの健康状態を認識するという役目も然りである。

 

 

また、例によって、施設正面のベンチに腰掛けて気付いたことは軽トラの多さ。しかも、お互いはお互いの車を知っていて、物々交換までしちゃってるのである。マザーテレサが風呂に入っている間に、軽バンの助手席には大量のキャベツが搭載されていたという具合に。

 

 

僕の敬愛する祖母の住む大分は佐賀関でも似たような慣習はあるものの、こんなキースポットはないし、あればいいのになと思ったり。

 

 

ここが地元の人達においては、この施設あるいはこのコミュニティ自体に対して善いとか悪いとか様々な思いはあるのかもしれないけど、よそ者の僕としては単純にすごいサイクルを見たな~とか、感動しながらまた戻ってお酒を飲んでました(だからこのすごさを言語化できない)。

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

みんな寝坊して遅めの出発になったので、予定してたとこには行けなかったけど、池田湖の大うなぎやイッシー伝説にビビったり、市内でドムドーラばりに廃墟と化した売物件を見学したり、むじゃきでシロクマ食べたりしながら、福岡へ。

 

 

 

うちの社内ではダントツ、プライベートが薄い僕だけど、この週は間違いなく僕がダントツ、リア充でしょう。

 

 

 

ちなみに、写真撮るのを忘れるくらい最高すぎたマザーテレサの料理と、写真ではおさめようもない道中のくだらないやりとりが一番の思い出だったりします。

 

 

 

ひゅー、また行きたいぜ指宿!!