これぞ不動産業の醍醐味


「不動産は縁もの」とはよく言ったものですが、この仕事をしていると神に導かれているとしか思えないような、奇異な出来事に遭遇することがたまにあります。

 

それは主に、人との繋がりだったり、土地や方角に導かれるようなことだったりするのですが、今回の出来事はなかなかだったので、ちょっとご紹介したいと思います。

 

時は2014年11月ー。

僕が掲載した物件への問い合わせがきっかけで、Hさんとのやり取りが始まりました。

 

Hさんは、東京でアンティークショップを運営されており、福岡への移転を画策。

 

2,3度、福岡へ訪れては、良さ気な物件があれば申込みを入れ、内装の見積もりを取ったり条件交渉を行っていましたが、なかなか条件が合致しない。

 

同時進行で他の物件情報を送ったりもしてましたが、なかなか理想的な物件に出会えず、半ば妥協気味にとある物件に決めようとしてました。

 

そして「最終決断する前にもう一度見ておきたい」と今年の3月に再度、来福。滞在は1泊2日の予定。

 

1日目に合流し、現地ご案内しましたが、改めて見てもやはり物件のネックが気になり、厳しいという結論に。その後、古門戸など呉服町エリアが気になるということで、その辺りで2物件見ましたがいずれもイマイチでした。

 

まずい、このままでは今回の福岡トリップが無駄になってしまう・・。旅費もそうですし、Hさんは東京の店を閉めて、貴重な時間を割いて来ている。僕は焦ってました。

 

翌日の昼には発ってしまうので、「とりあえず、ダメ元で戻ってまたイチから物件洗い直します。ギリギリまで探して見に行けるのがあれば見に行きましょう」と伝え、初日は別れました。

とは言っても、この数カ月間、物件をリサーチしてきています。これまでを覆すような抜群に良いものを、この限られた時間内で提案する自信は、正直ありませんでした。

 

そして、デスクに戻ると1通のメールが。

 

「はじめまして。古い物件を持っていて賃貸に出したいのですが、相談にのって頂けませんでしょうか?」

 

新しいオーナーさんからでした。

 

すぐに連絡を取り詳細を伺うと、なんと場所が古門戸!広さ、立地、建物など、聞けば聞くほどHさんの条件に合致しているのです・・。

 

「すみません、急で大変恐縮なのですが、明日、しかも午前中に、見せて頂けませんでしょうか?実は東京からお客さんが来ており、こうでこうで・・」

 

Hさんの概要をお伝えし、オーナーさん側にもご理解頂きご案内して頂けることに。すぐHさんにも連絡を取りました。

 

「Hさん、やばいです!古門戸でめっちゃいい物件が出ました!明日見に行きましょう!」

 

翌朝、一緒に見に行くと、ザ・R不動産といっても過言ではない素晴らしい物件。Hさんも「是非入りたいです」とかなりお気に召した様子。

 

しかも古門戸は、「1丁目」など“丁”のない、狭いエリア。建物自体が他の町と比べて少ないんです。それが故、僕らにとっても宝物を見つけたような気分になりました。

 

しかし唯一不安だったのが、賃料などの条件面。

 

これが全く食い違っていたら話にならず、物件探しは振り出しに戻る可能性がありましたが、結果的には納得する条件で契約へと至ることができました。まさにアッパレ!

 

komondo
レトロで天高な倉庫物件。かなり胸が高鳴りました。

 

不動産業は、マッチング業。
いかに借り手と貸し手を結びつけるかがこの仕事のテーマ。その為に色々な準備をしてはいますが、本当に、いつまでたっても簡単にはいきません。

 

福岡R不動産にも、よくオーナーさんからお問い合わせを頂きますが、毎日毎日来るわけではなく、頂いたとしても残念ながらエリアなどの問題で合致しないことも少なくありません。

 

今回はそれらが合致しても、問い合わせが半日遅れていたら、話は上手く行ってなかった可能性もあるわけで、この出来事はまさに不動産業の中でも真骨頂じゃないかと思います。

 

さて、Hさんのこの物件は、まさにこれから改装へと入ります。どうなるかは、全く想像つきませんが、その進捗については、このブログか、reallocalで紹介しますのでお楽しみに。