春吉に、おしゃれの種を植えよう【前編】


飲食店では隠れた名店揃いと言われる、DMXのオフィスも構える中央区春吉。レトロビルや古家など魅力的な建物が溢れている点においては、他の中心部エリアと比べても一歩抜きん出ている感はありますが、街並みイメージでいうと、正直今ひとつというところ。
 
レトロ物件を改装した、センスの良い建物はいくつかあります。しかし、そのほぼ全てがやはりカフェやバーだったり。ファッションや美容となるとやはり弱いのです。
そんな春吉エリアに、何かR不動産としてきっかけ作りができればと思っていたさなか、ある一つの物件に出会いました。
 
それがこちら。
 
リノベーション前の春吉テナント
 
 
福岡R不動産で「レトロに可憐に咲き続ける」というタイトルで紹介させて頂いた物件です。
 
元店名は「テル美容室」。春吉の路地裏でたったひとりのオーナー、通称テル先生が美容室として営んでおり、その期間なんと60年。このお方、美容界でもいわゆる重鎮といわれる存在で、当時の福岡の花嫁たちにとっては、ここでヘアメイク・着付けをしてから、市内の一流ホテルの挙式に向かうという流れが、1つのステータスだったのだとか。そしてこの春、引退を機にこの物件を生かして欲しいという想いを込めて、テナント募集されました。
 
レトロな雰囲気の残る春吉の元美容室テナント
 
物件自体の第一印象は、レトロで可愛い。写真を見ると、テーブルと椅子を置けば今すぐにでも喫茶店とか始められそうに見えますが、床、壁、一部突き出た配管類、よく見るとやはり建物としての古さは否めず、全体的な補修を含めた改装が必要になるだろうと。着付けに使われていた2階などは、次入る方はどう使うんだろう?と期待半分、不安半分に勝手に思ってました。
 
そんな中、お問い合わせを頂き、当物件に訪れたのが、今泉で美容室「Pluss」を営んで11年目を迎える、新飼さん。今のお店が数年前から手狭になってきていて、大きい所へ移るか、分店を作るか・・分店であれば、路地裏で隠れ家的にやりたいと思っていたところ、R不動産でここを見つけて頂いたそうなんですが、訪れるなり、一目惚れ。その後、Plussのスタッフさん達も代わり代わり内覧され、皆さん一致でお気に召したようで、あれよあれよという間に、ご入居決定になりました。
 
とは言え、今回の出店はただの事業拡大ではなく、このお店に込めた新飼さんの強いビジョンがあります。それは、「春吉をファッション・美容を通じてお洒落な街にしていきたい」という希望。そう、かつての今泉のように。今でさえお洒落なイメージがある今泉も10年ほど前は全くそうではなかった。そこでお店を開いて、今となってはご覧のとおり。確固たる実績と自信があるから、この言葉にも説得力がありました。
 
 
 
そして、6月、確実に春吉にお洒落の種は植えられました。
まずは8月の一輪の開花(OPEN)を目指して急ピッチで内装工事中です。同じ春吉なので、僕もちょくちょく覗きに行ってます。
外観はどうするのか、2階や奥のバックスペースはどうなるのか、とても楽しみです。完成後は、【後編】として次回公開させていただきますが、改装中の風景を少しだけ。
 
美容室改装の様子
 
美容室テナントのリノベーション工事の様子
 
 
 
そして今回感動したのが、想いのこもった物件には、やはり不思議な“縁”を呼び寄せるのだなと思った出来事。ヒントは「テル美容室」。これも次回にて。
 
乞うご期待!