2012年を振り返って 読書篇


年の瀬ということで、2012年を振り返っております。
様々な出来事と出会いがあった2012年ですが、今回は今年出会った本の中で印象に残ったものを3冊ご紹介しようと思います。
 
1冊目は「kWh=¥(キロワットアワー・イズ・マネー)」村上敦著
 
「kWh=¥(キロワットアワー・イズ・マネー)」村上敦著
 
2050年には日本の自治体の半数近くが消滅しているという衝撃的な内容から始まる本書。人口減少が日本全体に及ぼす影響から、その対策として個人、あるいは地域の中小企業や行政が、実際にどのような行動をすることで、自身が今の瞬間も不利益を得ないで、中期的に地域社会に富を流通させることができるのかという方法論をドイツのエネルギー政策の事例を中心に紹介され示されています。
地方のこれからの現実と、今から進むべき方向性が示された良著。
 
2冊目は「芸術闘争論」村上隆著
 
「芸術闘争論」村上隆著
日本を代表する芸術家である村上隆が芸術の現状と今までの歴史を分かりやすく説明し、日本の芸術業界と教育現場を痛烈に批判。
そして、今までの芸術の考えを方をひっくり返し、逆転の発想を持って、世界のシーンを変えようと、西欧の芸術の歴史を今一度見つめ疑問点を明確にした上で、自分たちのアドヴァンテージを発掘をし、実践していく方法を授業形式でまとめた本です。
これから芸術の世界で生きていこうとしている人、芸術はよく分からないが興味がある人などに是非読んでいただきたい!
 
3冊目は「屍者の帝国」伊藤計劃×円城塔著
 
「屍者の帝国」伊藤計劃×円城塔著"
 
早逝の天才・伊藤計劃の未完の絶筆を盟友である芥川賞作家円城塔が引き継いで完成した話題の小説。そもそもノンフィクションしか読まなかった僕にフィクションの面白さを教えてくれたのが伊藤計劃の「虐殺器官」と「ハーモニー」でした。でも、彼の存在を知った時にはすでに亡くなっており、もう新作は読めないと諦めていた時にこの本が出ることを知り、とてもテンションが上がったものです。前の2作は近未来を描いたSF。今回の「屍者の帝国」は19世紀末の過去を舞台にしたSFです。内容はここに書くと勿体ないので是非読んでください。
 
こうのように振り返ってみると、筑後地域や上毛町への移住プロジェクトやアートスペース「FUCA」の立ち上げ・運営をしていたことで僕の興味は地方やアートに向かっていたようです。
社会人になり、学生の頃より本を読む時間は少なくなりましたが、本から学ぶものは多いことを実感した1年間でした。
この年末年始も読書没頭しようと考えています。
 
それでは、みなさま、今年もありがとうございました。良いお年を。