地方創生ネタが活況な今日この頃。
2014年9月に設置された「まち・ひと・しごと創生本部」は、地方活性化によって人口減少・高齢化の課題解決を目指す戦略をつくってきましたが、1月9日付けで具体的な計画が発表されました。
こちらが「まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)」の概略版です。
ぼくらもトライアルステイやリアルローカルでまさに地方創生をテーマにやっているので、この年末年始で「まち・ひと・しごと創生本部」や「総務省」を訪問する機会をいただきました。普段、県や市町の方とお仕事してますが、国になると考え方のレイヤーが全く別なんだと勉強になりました。
さて、今回発表されたプラン・目標の中で、ぼくらの仕事に密接に近いものをピックアップしてみます。
地方に新しいひとの流れをつくる
東京一極集中の是正ですね。東京弱めてどうすんの?とか、過疎化した田舎なんてインフラ維持コスト高すぎだから消滅すべきでしょ、なんて意見もありますが、世界の経済大国でここまで対外国での地方の存在感が貧弱な国も珍しいし、地域が独自の産業・経済圏を築くことは成長に不可欠なので、ぼくはもちろん地方創生の総論には賛成です。
具体的には2020年までに、現在年間 47 万人の地方から東京圏への転入者を年間6万人減少させ、年間 37万人の東京圏から地方への転出者を年間4万人増加させることを目指すとのこと。
つまり、現在毎年10万人東京が転入超過なので、プラスマイナスゼロまで持っていきましょう、と。
で具体的な施策でびっくりしたのが、
2020 年に「お試し居住」推進等に取り組む市町村の数を倍増(現在約 23%の市町村で実施)
というもの。
2011年に福岡県の筑後地域で始めた「お試し居住(ぼくらはトライアルステイと名づけています)」は、4年間で福岡県内14の市町に広がり、仕事付のトライアルステイ(ワーキングステイ)への進化などプログラムを多様化させてきました。
参考にDMX(福岡R不動産)で「お試し居住」をお手伝いしてきたクライアント一覧(敬称略)
- 筑後地域(2011年-2014年)
うきは市、大刀洗町、柳川市、久留米市、広川町、大牟田市、大木町、大川市、みやま市、小郡市、八女市、筑後市 - 糸島市(2014年)
- 上毛町(2012年-2014年)
一応時系列にも並べてみます。
2011年 筑後トライアルステイ
2012年 筑後トライアルステイ、上毛町ワーキングステイ
2013年 ちくご移住計画2013(仕事付)、上毛町ワーキングステイ
2014年 ちくご移住計画2014(仕事付)、糸島トライアルステイ、上毛町ワーキングステイ
他県では自治体が単独でやっている事例もいくつかはあるのですが、民間の会社で「お試し居住」を受託して運営しているのはおそらく弊社くらい。ちなみに「お試し居住」の運営はしんどいです。そして、こんなに盛り上がっているのは福岡だけでしょう。
そんなマイナーなプログラムが「2020年までに日本全国4分の1の自治体でこのような取り組みを始める」という目標が出てくるまでに注目されたことは驚きです。(23%という中途半端な数字の根拠も知りたいところですが)
闇雲にやっても、本来移住を促進する目的でやっているのに、ただの旅行・バケーションとしてプログラムを消費されてしまい税金の無駄遣いに終わる、又は、誰にも見向きもされない可能性が高いので、各地域の特性によって創造的にプログラムを作っていって欲しい次第です。
他にもreal localがテーマとしている「地方への人材還流、地方での人材育成、雇用対策」やR不動産が長年力を入れてきた「既存ストックのマネジメント強化」など親近感のあるトピックが並んでいて、この計画資料は非常に読み応えあります。各論はもちろん議論のあるところですが、国の本気度が伝わってきます。
これから益々ローカルがアツくなるはず!
今回取り上げたテーマ「地方移住の推進」のソースは以下です。
まち・ひと・しごと創生総合戦略(案) 資料2(34ページあたり)
まち・ひと・しごと創生総合戦略(案) 資料3(37ページあたり)