FUCA初のインスタレーション


先日、アートインキュベーション施設FUCA(フーカ)で初めてのインスタレーションが行われました。
 
 
$FUCA初のインスタレーション
 
 
そもそもの始まりは、大阪を拠点に活動されている梅田哲也さんが福岡に来るということで、「何かできないかな」とFUCAに入居しているエキソニモに相談したこと。
 
そこから、話が盛り上がり梅田哲也さんとエキソニモの初の合作インスタレーションを行うことに。初物好きの僕としては堪らない展開!
 
でも、初めてのことを行うのは難しく、みなさん忙しいこともあり、具体的に何を行うのかということはなかなか決まらず、スケジュールは押すばかり。
 
どうなるんだろうと不安だったのですが、梅田さんが福岡に来てからのスピードはすごかった!何かが生み出されていくあのエネルギーはすさまじいです。
 
ただ当日まで日時と概要ぐらいしか情報を出せず、来てみないと何が行われるかの分からない状態。はたして人は来るのか…
 
 
$FUCA階段
 
 
FUCA全体を使用した今回のインスタレーション。
 
入口はいつものカフェからではなく、横の階段で2階に。受付らしきところに着くと、1人ずつ中に案内されます。
 
待ってる間は何もすることがなく、ただ「ダンダン」など大きな音が中から聞こえるだけ。中では何が行われているのかまったく分かりません。
 
 
$インスタレーションの様子
ようやく中に入れると思ったら、「3回ドアを開け閉めしてください」という張り紙がドアに。
 
とりあえず指示通りにして入ると「3回飛んでください」など「転がしてください」などいろんな指示がいたるところに貼ってあります。
 
その指示に従いながらよく分からないまま進んで行くと、最後はリフトで下のイベントスペースへ。
 
 
$FUCAインスタレーション
 
 
$FUCAインスタレーション
 
 
リフトで降りながら「何だったんだ?」でキョトンとしていると、下のイベントスペースにいる人たちから拍手が。
 
とりあえずその拍手に応えていると、イベントスペースの奥の壁に大画面で映像が映し出れ、みなさんそれをビールなどを片手に笑いながら見ています。
 
よく分からないまま映像を見ていると、そこに映っていたのはリアルタイムな上の状況。
 
つまり今まで僕がキョロキョロしながら、飛んだり大きな時計を転がしていたりしていた状況を下の人たちに見られていたわけです。これは恥ずかしい。
 
でも、見てる側は面白いんですよね。
 
 
$梅田哲也×エキソニモ インスタレーション
 
 
 
しかも、このインスタレーション、何回でも入ることができ、2回目以降はみなさん見られていることを意識しながら、それぞれ思い思いの動き、いやパフォーマンスを行い始めます。
 
映っていることが分かっている人と、初めて入って分かっていない人。
人に見られることを楽しんでいる人と、慣れていなくて恥ずかしがっている人。
 
いろんな人がいる中に梅田さんやエキソニモの2人が段ボールをかぶってたり、全速力で走り回ったり、コンテンポラリーダンスのダンサーがすごく変な動きをしたり、クラリネットをひきだす外国人がいたり、後半になっていくにつれ、どんどんカオス状態に。
 
 
 
$梅田哲也×エキソニモ インスタレーション
 
$梅田哲也×エキソニモ インスタレーション
 
 
最後の20分ぐらいは、みなさん好き勝手に騒ぎはじめ、お祭状態!このバラバラなんだけれども一体感を感じるこの空気はなかなか体験できるものではありませんでした。
 
普段は出演者と鑑賞者が分かれることが多いインスタレーションですが、誰が出演者で誰が鑑賞者なのかという壁を完全に取っ払った梅田哲也さんとエキソニモはやはり凄い!
 
またこのようなFUCA全体を使ったインスタレーションなりエキシビジョンを行いたいと思いますのでお楽しみに。
 
 
 
当日配信していた映像はこちらです。
 

 
 
梅田哲也 http://www.siranami.com/
 
熊本県生まれ、大阪府在住。音と空間を基に作り出す作品等で、幅広く国内外で活躍する。気圧、重力の変化による現象や、廃品や日用品、扇風機など身近にある家電の回転運動や水の流れなどを用いた実験的なインスタレーションやパフォーマンス作品を展開。
 
 
エキソニモ http://exonemo.com/
 
怒りと笑いとテキストエディタを駆使し、さまざまなメディアにハッキングの感覚で挑むアートユニット。千房けん輔と赤岩やえにより1996年よりウェブ上で活動開始。2000年より活動をインスタレーション、ソフトウェア、デヴァイス、ライヴ・パフォーマンス、イヴェント・プロデュースなどへと拡張し、国内外の展覧会やフェスティバルで活躍。2006年リンツのアルス・エレクトロニカ賞ネット・ヴィジョン部門でゴールデンニカを受賞。2010年に東京TDC賞でRGB賞受賞。