住宅街で旬を頂く


と言っても、角の住宅にイケメンが引っ越してきたとか、○○さん宅に2人目が産まれるらしいとか、その類の話ではありませんので悪しからず。

外は汗ばむような日差しの中、南は大池の閑静な住宅街の一角で、言葉通り飛び切りの旬を頂いて来ました。

福岡市南区大池の完全予約制ランチ深草

そのスペースの名前は「深草」さん。

こう聞くと、福岡のCAFEマニアを自負する方はピンと来るのでは無いでしょうか。そうです。あの堅粕にあった素敵な長屋CAFEが形を変えて、再びファンのみなさまの胃袋に届くことになったわけです。

それもこんなに素敵な景色と共に。

「丘の上のご馳走」というタイトルで募集させて頂いたこちらの物件。

変り種物件がもはや日常となりつつある私たちから見ても、ちょっと不思議な物件でした。

まず建物が2棟に分かれていて、その間を2階にあるウッドデッキが繋いでいます。そのおかげで母屋の玄関は1階/2階に1箇所ずつ、またそれらを繋ぐリビングからの内階段を下ると、あろうことか床面は砂利の洗い出し。

こんな風に、およそ日本の住宅建築では、(少なくとも個人宅では)あまり見ることのない空間構成や手法が沢山詰まったそんな家でした。

 

募集時の写真はこんな感じ。お風呂までスペイシー。

一体こんな奇抜とも呼べる空間にどんな使い方があるのだろう?

そうワクワクしていましたら、お問い合わせを下さったのが写真事務所を経営する御主人と、自宅で料理教室を開催できる物件を探していた花さん。それぞれが手に職をもつお二人に取っては、空間の使い分けが効くこんな物件こそ、ピタリと探していた物件でした。

でもこれって、実は働くママさんに取っては切実な問題。

いや、パパに取ってもでしょうか。子供が小さい内は、怪我をしたり急に熱を出したり・・・とにかく目が離せない。貴重な成長の時間を見逃したくない。そんな時に自宅で仕事ができるこのスタイルは、一番無理のない自然な形だったのかも知れません。

 

そうして生まれたのが、決して分かり易い場所ではないけれど、アットホームな寛ぎをもつご主人の写真事務所と、料理教室兼予約制のランチが頂ける深草さん。

(左)美味しい料理が出てくるキッチンって、共通の雰囲気がありますよね。
(右)その日のメニューは壁に貼ってあります。

実は、今回のご紹介より以前に花さんの料理を一度口にしたことがありまして。(確かサーモンとオリーブのマリネ)脇役だと思っていたサーモンのあまりの円やかさに、すっかりトリコになってしまいました。

そしてこの日も旬の、でも誰でも気軽に手にすることの出来る食材からできたランチを頂いたのですが、花さん曰く、その”松竹マジック”には驚くばかり。

例えば、苦手な高野豆腐もレーズンもこちらで頂くと、カレー味のスナックのようだったり、デザートの旨味に変わっていたり・・・とにかく「え、入ってました?」と言う位、気付かない内に美味しく頂けているのです。

 

因みにこの日のメニュー。
白米にパラリとのったゴマ塩が、何というか、もう掴まれます。

(左)壁にはご主人の撮った写真も。優しい目線が素敵です。
(右)目印はウッドデッキの小さな看板のみ。

なになに、どう言うこと?と突っ込みたくなるかも知れませんが、ブログではその味までは伝えきれません。ごめんなさい。

気になる方は、どうぞこのあたたかな空間で直接味わってみて下さい。一度来たらリピーターになる人が多いというのも頷ける、素敵な隠れ家。きっと気に入って頂けることかと思います。

【深草】