嗜む【たしなむ】
1 好み。また趣味や余技。
2 芸事などに関する心得。「多少は英語のーもある」
3 つつしみ。節度。「ーを忘れる」
4 ふたんの心がけ。用意。「紳士のー」
辞典で意味を調べるとこんな感じ。
ただ、男の嗜み、となればこの意味合いの順序は逆転するだろう。案の定、この辞典を編集したのは女性のようだ。
男にとっての嗜みとは、用意であり、そして、礼節である。
趣味というほど熱中するものでもなければ、芸事や習い事というOL的なものでもない。知っている、ということを備えることが重要なのだ。
ちなみに、この知っているとは、最低でも経験済みであるということが基本となる。
嗜む男か否か。特に顕著に表れるのはビジネスシーンだ。
会食の相手が日本酒好き。取引先の窓口のはパイプを好む。バイクに乗る、アート、クラシック、サーフィン、DIY、ミニシアター、オールデン、舞台、タトゥー、フィギア、ゴスロリ、etc..。
その分野を知っているか否か、商談を左右することは言うまでもない。
様々な分野を広く網羅して嗜むこと。それが一流の男というものである。
僕も、そんな一流の男になるべく、超少ない余暇を捧げている嗜みがある。
ドラクエ3、だ。
正式には、ドラゴンクエストⅢという。
ゲームでしょ?と侮るなかれ。
ロールプレイングゲームの金字塔を打ち立てた崇高なタイトルであり、シリーズ含め、カルチャーと言っても過言ではない遊戯。
スマホのアプリがリリースされたことがきっかけで、久しぶりにそれをプレイしているが、大人になってしばらく、尚更にこのゲームの奥深さが身に沁みるのだ。
例えば、
戦わなければ、成長しない。
→モンスターを倒さないと経験値を得ない=レベルアップしない
コミュニケーションの重要性。
→村人と話をすることで次の目的地やミッションが明らかになる
経験に比例して課題は大きくなる。
→敵も強くなるし迷路も複雑になるけど伝説の武器防具が入手可
結局ひとりでは何もできない。
→主人公の持っていない能力を補うのは仲間だったり家族である
などなど。
この認識はストーリーを通じて、ほぼ全てのプレイヤーがもれなく痛感するところであり、何よりそれはリアルにビジネスと共通するところである。
ドラクエの経験者はこの情操教育を以て仕事をスタートさせるが故、やはり足腰が強い。弊社の場合、採用基準としても重要だったりする。
ちなみにドラクエ、略称DQのシリーズで転職という概念が生まれるのはこのDQ3であり、シリーズの中でも特に人気を集める理由はここにあると思う。
プレイしたことのない方は何それ?だと思うので、大雑把に説明しよう。
勇者=主人公であり、唯一無二の職業。攻守バランスに優れ、魔法も使える。
戦士=攻撃力と守備力が高いが、魔法は一切使えない。すばやさに欠ける。
武道家=攻撃力とすばやさが高いので、先制攻撃が可能。魔法は使えず、守備力が低い。
魔法使い=攻撃を中心とした魔法の使い手。攻守ともに低いが後半は強力な魔法を覚える。
僧侶=回復系の魔法の使い手。攻守も中堅で、仲間に一人は必要。
商人=攻守中堅だが、割とすばやい。アイテムを敵から盗んだりする。
遊び人=全ての能力が低く、戦闘中に遊んだりする正に遊び人。
勇者はプレイヤーそのものであり絶対条件なのだが、上記職種の中から3名を選出し、計4名のチーム(通称:パーティー)で魔王討伐の旅に出る。
もちろん、勇者と戦士3人とかのゴリゴリなパーティーもOKだが、それは社長と営業オンリーで制作も経理もいない会社みたいなもんだからまあ大変である。
ちなみに、各職業の名前と性別はプレイヤーが決めることができるのも楽しみのひとつで、当時(小学生)はよく好きな子と冒険に出掛けたものだ。
話を戻して、勇者を除く職業はある一定のレベルまで到達することにより転職が可能で、例えば、僧侶から戦士に転職をした場合、回復系の魔法が使える戦士になることができる。
当然、この転職システムもすべてがプレイヤーに都合良く作用するわけではなく、MPなど幾つかの制限事項があったり、何より、職業を変えたキャラクターはレベル1に戻るのだ。そうなるとキャラクターは体力や能力が著しく低下するので、仲間にいればしばらく、彼(彼女)をかばいながらの旅を続けなければならない。
この転職システムでの気づきこそゲームのみならず、むしろ現実世界でのヒントが満載なのだが、特に顕著なのは。転職者以外のメンバーが強ければ、強い敵を倒した経験値を享受できるので、レベル1から相当なスピードで成長するということ。
まさにこれは仕事と同じである。
能力やモチベーションの高い職場環境に身を置くことで、そうでない環境に比べ、短期間で成長をすることができる。
現実的には努力は絶対条件になるが、やはり、環境というものは人間をつくるにあたって、非常に大きな要因になるということを暗に示唆しているのではなかろうか。
また、前述の職業に加え、「悟りの書」というアイテムを取得した者だけに与えられる「賢者」という職業が存在する。「賢者」は「魔法使い」と「僧侶」のどちらの呪文も使え、攻撃力や体力も割と高い上級職種で、パーティーにひとり、欲を言うならふたり欲しいくらいの有能な人材なのだが、悟りの書を持たずしても「賢者に」なれる職業があるのだが、それは「遊び人」だったりする。戦闘では役に立たないどころが、遊びまくっている奴が、レベル20を境に悟りを開くというのだ。
でも思い起こせば、こういう奴は旧友に何人かいたりもするのである。
手がつけれないくらい悪かったあいつが、社長!?
野球部で髪も私服もセンスゼロだった井村が、腕の良い美容師に!?
消費者金融とギャンブルの往復が人生だった山本が、2児のいいパパだと!?
などなど。
やはり、DQ3はゲームというカテゴリを超越した人生のワークショップと思わずにはいられないのである。
そして、ご存知、弊社の坂田君はDQ3をアプリのリリース当日に購入。日夜、公私問わず過剰摂取した挙句、途中で飽きて中断してしまったという報告が入ってきた。
しかも彼の特殊な点は魔王を楽勝で倒せるレベルでストップしていること。感動のエンディングも、のど元に刃を突きつけられ寝付けない魔王も、素知らぬ出来事。つくづく、愛のない男だ。
そして、いつもながら強引ではあるが、現実世界で僕が冒険を続けている「AKEBONO」プロジェクトがいよいよ大詰めである。
12月中旬の完成見学会、そして引渡し&リーシングへ向けて、ラストスパート真っ最中で、メンバーは連投に次ぐ連投で、満身創痍。ただし、レベルはガンガンに上がっている。
プロジェクトサイトの更新をフライングして、最新の室内を少し。
こんな感じでラストスパートを迎えております。
年末、旨い酒が飲めるかどうか。今が勝負時。
みなさん、がんばりましょうぜ!