アーティストのインキュベーションアトリエというアイデア


アメリカ西海岸のポートランドという街を見てきて、ある一つのことが思い浮かんだ。

それは、「アーティストのシェアアトリエを福岡につくる」ということ。

この記事で書いた通り、ポートランドには全米から多くのアーティストやクリエイター、そしてその卵たちが移り住んできて、一般市民にとってもアートが生活の一部になっている。

独立系最大級の広告代理店「W+K」が本社を構え、3人のヘッドのうち2人はアート&クリエイティブ出身だったり、巨大な倉庫を改装したPNCAという美大があったり、街のあちこちにギャラリーや画材屋さんがあったり、と環境が整っているのだが、

そもそも人がこの街に集まるのは、街がコンパクトで動きやすく、食べ物がおいしく、山や川や海といった自然も近い環境、そして身の丈にあった生活をしやすい環境があるから。

しかし、これはすでに成熟したポートランドを言い表しているに過ぎない。

話は飛ぶが、ニューヨークのSOHO、サンフランシスコのSOMAなど、倉庫や工場街だった廃れたエリアをアーティストが安く借りたり、スクワット(不法占拠)されたりして、アトリエとして使うようになり、人がどんどん集まり、いつのまにかギャラリーやカフェができて、終いにはデベロッパーが目を付け再開発をして、高級エリアになってしまうというケースは世界中どこにでもある話だ。

ポートランドのパールディストリクトは、デベロッパーが早期から気合いを入れて作り上げたので、多少成り立ちは異なるが、アーティストやクリエイターの存在がエリアを活性化したことは間違いない。

日本でも近い例はあるのだが、廃れた倉庫街が都心にほとんどないし、家賃もそこまで安くなく、不法占拠したらすぐ捕まっちゃいそう、というわけでなかなか難しい。

そんなとき、中央区平尾にある倉庫と出会った。

天神からも歩いて15分圏内、120坪のボリューム。久々に刺った。

友人の建築家を始め、何人かのサポーターと協力し、ここでアーティストのインキュベーションアトリエ兼クリエイターのシェアオフィスを立ち上げることにした。(ちなみに、シリコンバレーで得たアイデアもスパイスとして入っている。)

熱い想いはまた後ほど書くとして、3月下旬の入居開始を目指し、近日中にサイトを公開する予定。興味のある方はinfo【@】dmx-j.comまでどうぞ。