空室に悩むオーナーがお金をかける前にチェックすべきポイント


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いつもDMXメンバーの日常やイベント、文化的出来事なんかを紹介させて頂いている本ブログ。そこでたまには不動産屋としての話題も提供したいと思います!

 

題して、「空室に悩むオーナーがお金をかける前にチェックすべきポイント(住居編)」

 

「賃料設定は問題ないはずなのになかなか入居者が決まらない」「部屋に大きな欠点もないのにいつまで空室が続くのか・・」そんな悩みを抱えるオーナーさんもいらっしゃることと思います。

 

ただ、空室をなくすにはリノベーションを施したり、フリーレントを設定したりなどが思いつきますが、どれもフトコロに負担が強いられるのばっかり・・。そこでもう一度原点に帰って現状を見つめ直し、お金をかける前にできることを考えてみませんかというのが今回の目的。

 

普段僕たちも物件を探す上で色々な募集情報に触れるわけですが、「こうしたらいいのになぁ」と思うことが沢山あり、その目線で「業者選定編」「募集編」「案内編」に分けてお伝えしたいと思います。(僕たちはアウトプットがR不動産というユニークなメディアなので土俵は違うのですが、いわゆる一般的な不動産会社の目線も多少は持っているということで)

 

と、その前に事前認識として、ご存知の方もいるかと思いますが、賃貸の流通の仕組みについて簡単に説明します。

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オーナーさんは不動産業者を1つ、もしくはいくつか指定して賃貸の募集を依頼しますが、依頼を受けた業者は「元付業者(以下、元付)」と呼ばれ、物件をその他の業者に流通データベースを通して公開して募集する義務があります。
元付業者が直接お客さんに直接紹介するケースもありますが、「客付業者(以下、客付)」と呼ばれる業者がお客さんに紹介するのが一般的です。いずれにしても元付がハブになっているのは事実。元付のやり方によって、入居者が決まるタイミングが大きく変わるのです。

 

■業者選定編

「仲が良いから」「大手だから」という理由で元付を選定する方も多いと思いますが、まだ決まっていない、アテがないという方は下記の点をポイントに選定してみてください。

1,定休日や土日祝も問合せ対応ができるか
お客さんが興味もった、客付が元付に問合せした、電話でない・・案内できない。こういうケースが結構あります。これはとても機会損失です。遠方からきたお客さんはその日しか内覧できない、という方も沢山おり、元付はどんな日でも日中は電話対応できる状態にしておく必要があります。
ではスタッフが多くてシフトで回せる大手がいいのかと思われるかも知れませんが、定休日でも常に電話転送している小さい不動産屋も沢山ありますので、会社規模はあまり関係ありません。

 

2,募集をしっかりしてくれるか
当たり前のことではありますが、重要なポイント。詳細は下記「募集時編」にて。

 

■募集時編

元付業者の出す募集情報はとても重要です。この情報次第で空室期間が決まるといっても過言ではありません。
「at home」などの不動産サイトや、業者間流通データに載る自分の物件情報を元付業者から見せてもらったりPDF化や印刷してもらうなど依頼して、確認してみてください。

 

1,写真がきれいか、充実しているか

当然、お部屋の見え方で見る側の印象はかなり変わります。元付業者がお部屋が良く見えるための努力をしているかチェックしてください。お部屋が真っ暗だったり、アングルが適当だったりしていませんか。
写真が異常に少なかったり、全く無いのは言語道外。そもそも判断する土台に乗りませんし客付も提案しようがありません。最低でも6〜8枚は欲しいところですね。

1102blogとある業者が公開した流通データの画面。外観のみの写真しかなく、間取りもない。何で判断したらよいのやら・・

 

2,物件の売りがしっかりアピールされているか
ルーフバルコニーがあるのに写真で紹介されていない、水回りを綺麗にしたのに全然アピールできてない。そんなことがとても多いです。

 

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画像は間取り図をスキャンもせず適当に写真で撮ったもののみ。こういう情報もザラにあります

 

3,誤りの情報などがないか、しっかり更新されているか

既に空室になっているのに「居住中」のままになってるのが一番多いです。それを見た客付業者は、現時点で案内できないものとして判断しますので、その時点で内覧対象から外れてしまいます。これは大きな機会損失です。中には6.5万円の賃料設定が、入力ミスで「65000万円」になっているケースもあり、この場合は「6〜7万以下」などの物件検索に引っかからないので要注意です。

 

尚、これは補足ですが、案内情報にデメリットも記載してもらうことをR不動産としてはお薦めします。それによって生まれるメリットはこんな感じです。

・情報や物件そのものに対し信頼感が上がる(「水回りキレイですよ♪」みたいな漠然と並べたプラス情報はある意味見飽きられている)
・過度な期待をしないで内覧するので、実際の印象がよくなる
・「5階で階段無しか、ではやめておこう」などと無駄な案内を事前に回避できるので、部屋が踏み荒らされることを防げる

 

■案内時編

募集情報に気に入るものがあれば、内覧に移るわけですが、ここにも注意点があります。

1,客付が鍵の手配をすぐできる状況を作れているか
客付は物件案内前、鍵をピックアップして案内をしますが、その鍵は主に元付の事務所に取りに行くケースと、物件付近で手配するケースがあります。前者の場合、元付の事務所があまりに遠い(例えば、車で2〜30分離れている等)と、1日に何件も案内する客付けは時間の関係で案内できないケースがあり、これも機会損失。現地で鍵を取得できるような方法を取るなど、鍵の手配の負担をできるだけ客付に負担にさせないようにする気遣いも元付には多少は必要なので、元付にどうするのかを事前に確認してみてください。

 

2,部屋をきれいにした状態で募集を出しているか
お客さんは内覧時、当然自分が住んでいるイメージを当てはめますので、その部屋が汚いことでそれがまず遮断されてしまいます。
物件自体は良いのにバルコニーに鳩のフンが溜まっていて断念、、そんなことも実際ありました。ホコリが溜まっていたり、残置物があったりなど、本当にとても多いケースです。大きなマイナス要素です。
どのみち入居者が決まったらルームクリーニングを入れることにはなります。であれば空室になったらすぐしてしまいましょう。もしどうしても入れられないのであれば、簡単な掃き掃除だけでも元付に依頼するか、それが難しければ自分で行った方がいいですね。

 

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補修してから招き入れたいものですね・・

 

3,交換予定のものは張り紙しておくとベター
エアコンやガスコンロなど、新品のものに交換する予定のものがあれば、それを記した紙を貼っておくのが良いですね。募集情報に書いておくのももちろんですが、お客さんが見落としたり、客付が伝え忘れることがあります。

 

以上、僕が感じていることをざざっと紹介させて頂きました。
書きながら、自分も気をつけないとな・・と身が引き締まりました(笑)

 

つまり、結論としては
「賃貸募集の全てを不動産業者に投げっぱなしにはしてはいけません!しっかり抑えるべきポイントをチェックし、隙の無い募集活動をしてもらって空室期間を最短に留めましょう」ということ。

 

既に物件を持っている方、オーナー業をお考えの方、是非ご参考のひとつとして考えて頂ければ幸いです!