「空き家撤去補助金」ではなく「空き家課税」を


先週の日経新聞で、「空き家撤去へ税制改正 政府検討、15年度実現目指す」というニュースが出てました。

ここ最近、メディア上で急に空き家に関するニュースや問題意識が広がっているのを感じますが、ようやく国を上げて空き家問題を解決する方向に動くようです。

ぼくはこの記事にある(政府が問題意識を持っている)「空き家=危険」という点よりも、「本来活用できるはずの空間(建物)が無造作に眠っていること」に問題意識を持っています。

以前「空室は悪か?」というブログを書きましたが、この国土の狭い日本に置いて、国際的に「うさぎ小屋」と評されるほど小さな居住空間に押し込められているのに、その一方で実は13%が空室のまま放置されているのは、なんとももったいないことです。

akiya

賃貸住宅の平均面積でいうと、日本は欧米に比べ約半分しかありません。持ち家はそれほど極端に小さくないのですが、賃貸住宅のしょぼさが「日本人はよくこんな狭いとこに住めるよね」って言われちゃう所以です。

なので、ぼくはこの13%の空室を有効に活用するべきだと思ってます。それを実現する方法として、以前のブログに「空室税」を導入すべきだと書きました。つまり、空室で放置していると、課税されるというものです。長嶋修さんの著書「空き家」が蝕む日本にもも同様に空き家に課税するという案がありましたが、全くもって同意です。

今回政府が向かっているのは、「空き家撤去」への優遇なので、更地に戻すことを目指しているようです。更地にして新築を建てましょうのスクラップ&ビルド推進なんてもう古いし、個人的な感覚としておそらく空き家の半数以上は改装すればまだ使えるレベルのものだと思うので、空き家を再生する際の優遇も盛り込んでほしい。というか、盛り込まなきゃ意味ないだろ、という意見です。

ちなみに、この空き家対策は、都市部でも郊外でも同様に必要かつ有効だと思います。

都市部では空間を効率的に使えば、少しずつ今より広い住居に住めるようになるし、商業的な使い方も増えて経済効果も出る。

郊外では移住したい人の空き家ニーズがあり、空き家もあるのに、賃貸市場に出ないという現状を解決できる。

ちなみに郊外(田舎)に関しては空き家バンクが全国の自治体で立ち上がり、成約がどんどん出ているという記事もありますが、2011年から14の自治体さんと密に移住促進プロジェクトをやっている自分の実感値としては、その多くが移住者による成約ではなく、その地域内もしくは近隣からの住み替えになっているのが実体かと。空き家バンクは自治体の運営体制に問題があってオペレーションがひどいので、これをまともにすれば郊外の空きや活用は増やせるはず。

そんな感じでやれることはたくさんあるので、解体優遇じゃなく、有効活用優遇の方向に進んでほしいな、と。以上、空き家問題が盛り上がっていることで、空き家有効活用案について書いてみました。