糸島トイレ事情


いよいよ6月下旬から「糸島トライアルステイ2015」の1組目のご家族の居住が始まります。

糸島の環境が気に入っていただけるだろうか、また3週間で糸島の良さが伝わるだろうか。少しもどかしさを感じつつも、スタッフとして、というより糸島在住者として、しっかりお手伝いさせていただこうと思います。

参加者には福岡市内とは異なる清純な空気を身体いっぱい吸い込んで、糸島を満喫していただけますように。

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弁天橋から望む加布里湾の夕暮れ。今年のトライアルステイの拠点となる住宅からすぐのところです。

 

さて今回は、表題の通り、糸島に中古住宅を購入して住もうという人がまずぶつかる課題、トイレについて。

お客様を糸島市内の物件にご案内すると、多くの場合「汲取」であることにびっくりされます。もちろん公共下水道や集落排水が整備されている地域は「水洗」ですが、それ以外のエリアでは、今も”ぽっとん”なんです(ちなみに今年、トライアルステイの拠点となるお宅は水洗です)。

住宅が密集していないところや海や緑の景観など、環境にこだわるほどぽっとんの確率は高く、古民家ともなるとほぼ覚悟しないといけません。

「せっかくの糸島なのに、それじゃ気分が台無し」「古い家を楽しみながら快適に暮らしたい」。ごもっともです。策はありますのでご安心を。

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古民家の良さを継承しつつ、トイレをはじめ水まわり、寒さ対策など新しい技術でできるだけ快適にしたいものです。

 

下水道が整備されていないエリアで水洗化を可能にする設備、それが合併浄化槽です。

これは、トイレの汚水を含めた家庭内排水を敷地内に埋設した浄化槽できれいな水にして側溝に流すシステム。全国でもかなり前から導入されていて、僕が約20年前に自宅を新築したときもこれで水洗化しました。

借家での4年間でぽっとんには慣れていましたが、いざ水洗になってみると、霧が晴れたように気持ちが軽やかになったのをはっきり覚えています。精神衛生上たいへんよろしい。

一般的な住宅だと工事費別で100万円ほどかかりますが、糸島市が費用の一部を補助してくれます。これで快適な糸島ライフが実現できますね。

 

余談ですが、トイレと聞くといつも思い出す光景があります。

新しい家に移って間もない頃、食卓を囲んで妻と娘の会話。

「今日、ツクシを採るときお母さんが途中で消えたの知っとった?」
「よっちゃん、知ってたよ」
「げぇ、見たと?」
「見なくてもだいたいわかる」

そう言って二人はガハハと笑うのです。

妻は竹やぶの中にでも入って用を足したに違いありません。

糸島暮らしをより楽しいものにするのは、一つにはこの大らかさ(けっして褒められた行為ではありませんが)。いや、逆に糸島の環境こそがそんな心持ちにさせてくれるのだと思います。

トライアルステイ参加者たちの表情も、3週間後には大きく変わっているかもしれませんね。

matsuo