text=松田
以前もサイトのエリアコラムにてざっくりと取り上げたことのある、ここ港エリア。
最近じゃ、かもめのグリルなんてイベントも開催されたりして、少しずつ一般的な認知度も上がって来ているのかも知れませんが、カメラマンさんやデザイナーさんと言ったクリエイティブな感性を持つ方々はその盛り上がりをどう見ているのだろう?
そこ、個人的にも気になったので、じゃあ聞いてみようかと行って来ました。単純に海も見たいし。
ちなみに向かった先はこちら。
「潮風オフィス」のタイトルで募集させて頂きながら、いつも比較的早く決まってしまうこの物件。
こんな古ビルに何があるの?とパッと見は思ってしまいそうですが・・・見かけで判断するなかれ。中には静かなるクリエイティビティが息づいているのです。
ほら。
実はこの日会いに行ったのは、プロダクトデザイナーの稲垣さん。そしてここは現在、稲垣さんがデザインやセレクトしたプロダクトのショールーム兼オフィスとして使われています。
とは言え普段は、大川はもちろん各地の製造元との打合せ等で忙しい稲垣さん。飛び込みでの来店は週末が中心になりますが、詳しくは文末リンク先のカレンダーでご確認を。
尚、オフィス&ショールームがあるのは2階です。え、どこから入るの?そう思われた方は下の写真をよーくご覧あれ。
BOSSと書かれた御馴染みの顔が見えたなら、その後ろのドアが実は入口です。(ドアの先は階段→靴を脱ぐ仕様になっている事を、汗だくでベビーカーでのピットインを試みるお母さんが出る前にお伝えしておきます)
福岡市内より東京や大阪の取扱い店舗が多いと言う稲垣さん。でもこのテナントを借りて頂いたのには、しっかりと骨太な家具への愛情がありました。それは例えば、一つの家具が我が家にやって来て、そこから一緒に過ごす時間の長さを想像頂くと分かり易いと思います。
現にこちらの物件に出会うまでのご自宅は、家族の人数より椅子の数の方が多い状態。何故なら家具は一度形になったら終わりではないから。
「こうやってショールームと言う形の別の拠点を持つことが一つの目標で、ターニングポイントでした」
そう稲垣さんが語るように、この場には2つの意味があります。それはエンドユーザーにとってはデザイナーさんの話を聞きながら、カタログではない実物に触れる又と無い機会を作り、デザイナーさん自身にとっても実際の使用による改良点の発見にも繋がると言うメリットがあるのです。
(右上)家具だけでなく、職人さんが端材から作ったお皿やキャンドルホルダーも置いてます。
(下)和室もコーディネート次第では、こんな風にモダンな印象に。
もちろん、世の中では大量生産で作られた家具の中でも、自分の好みに合うものや大事にできるものもあるでしょう。
と同時に決して安い買い物とは言えない家具。一つ一つ丹念に探して出会う面白さを覚えたら、そうそう引き返せないのも本当。
でも自分らしい一脚って?木の種類で何が違うの?と疑問に思うなら、この週末はお散歩がてら潮の香りの流れる空間でじっくり話を聞いてみるのもいいかも。そうそう、稲垣さん以外にも冒頭の変化について尋ねてみたところ・・・
ああ、やってましたね~
行けなかったんですよ~
さぞや盛り上がった回答が返って来てもおかしく無いのに、この回答。でも、実はこれぞ港イズム。静かに熱い、どうやらこのエリアはそんな人達を集める傾向で、それはこれからも続くと思います。
【店舗情報】
Inagaki Design Works(イナガキデザインワークス)
福岡市中央区港3-3-24 2F
open : Saturday & Sunday 12:00~18:00
http://www.inagakidesignworks.com/
http://www.inagakidesignworks.com/office/