世界トップの建築模型に萌える


先日、福岡県主催の移住定住フェアに出るために、久しぶりに東京に行ってきました。

移住定住フェアについても色々と書きたいことはあるのですが、
ついでに行ってきた2つの展覧会が良かったので、紹介します。

もともと、僕は大学で建築の意匠設計を学んでいたんですが、
大学2年生ぐらいのときに、細かい作業が苦手なことに気づき、諦め、今はどちらかというとソフト面からいろいろな町に関わっています。

そんな建築を諦めた僕も、今でも建築自体は好きで、有名建築家の展覧会があると気になっちゃうんですよね。

そして、今回、僕が東京に行ったタイミングで、
ノーマン・フォスターとフランク・ゲリーという世界でも5本の指に入ると言っても良いビックネームが
六本木で同じ時期に展覧会をしてました。これはかなりラッキー。

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ノーマン・フォスターと言えば、代表作はたくさんありますが、特に有名なのが、上記の大英博物館のリノベーション。

大胆に中庭をガラスの屋根で覆ってしまった明快なデザイン。さすがです。

写真 2016-01-29 16 13 09ちなみにこちらが大英博物館中庭の模型。

建築家の展覧会は模型が中心です。
特に僕が見てて、テンションが上がるのがスタディー模型。

スタディー模型とは、最終的なデザインを決めるまでに様々なパターンを検討するための模型です。

今回もたくさんのスタディー模型が展示されていました。

写真 2016-01-29 16 12 36
こちらはドイツの国会議事堂のスタディー模型。

建築は完成した建物や空間を体験するのも良いですが、
スタディー模型などを通して、最終的なデザインが決まっていくプロセスを追体験するのも面白いです。

写真 2016-01-29 16 14 09演劇や音楽のためのホールのスタディー模型

「こんなパターンもあったんだ」とか「こっちの方が良さそうなのに、採用されなかったのは何か問題があるのかな」など、いろんなことを考えながらニタニタしているので、周りからみたら気持ち悪いと思うのですが、他の方々も同じような感じなのでいつも大丈夫そう(笑)

写真 2016-01-29 16 17 49駅の屋根のスタディー模型

スタディー模型以外にも、大英博物館などこれまでの代表作の完成模型や香港などの大型再開発の模型、ロンドンで計画されている自転車専用の高速道路のCG、あと変わったところでは火星の基地の模型など、いろいろと。

写真 2016-01-29 16 20 25香港の海岸部再開発の模型

london-skycycle-projectロンドンで計画されている自転車専用の高速道路のCG

写真 2016-01-29 16 22 07火星の基地の模型

一方、フランク・ゲーリーはグネグネとした彫刻的な建築を建てることで有名な建築家です。

代表作は、スペインのビルバオにあるビルバオ・グッケンハイム美術館。
美術館を中心とした町の再生を世界に流行らせた建物です。

Guggenheim-bilbao-jan05グネグネしたデザインが特徴的なビルバオ・グッケンハイム美術館

学生時代は、実現性を無視して設計課題に取り組むので、このゲーリーのような圧倒的な存在感を持った建築に憧れるものなのですが、社会人になりクライアントを納得させることや実際に建築することの難しさを知れば知るほど、むしろこんな建築を実際に建ててしまうゲーリーの凄さを思い知りました。

さらに、この形態をどうやって生み出していくのかというプロセスをこちらもスタディー模型を通して追体験することができました。
特に印象的だったのが、学生があまり使わない様々な素材を使っていたこと。

写真 2016-01-29 17 16 15様々な素材で作られたスタディー模型

写真 2016-01-29 17 17 43アクリルや金属、木なども

また、ゲーリーは設計するにあたって、模型だけではなく、自分たち用の3Dソフトも開発しています。
今までにないものを作ろうという熱意とその努力が並外れているなと感じさせらる展覧会でした。

写真 2016-01-29 17 18 40最終的な模型

ちなみに、どちらの建築家も1人で設計しているわけではなく、何十人、何百人というスタッフと一緒に設計をしています。特にノーマンフォスターの事務所は組織設計事務所としても世界的な規模であり、設計スタッフだけではなく、模型、CG、映像、コミュニケーション、素材など様々な専門家が集まっている専門家集団です。トップの建築家の名前ばかり表にでますが、本当に多くの人が協力してできるのが建築なんだなと改めて感じました。

今回、他にも森美術館で行なわれていた村上隆の展覧会にも行き、他にも時間がなくて行けなかった展覧会もあり、やはり東京な刺激的な展覧会やイベントがあっていいな~と。

住みやすさでいうと福岡が良いですが、刺激という点ではまだまだ物足りなさを感じているので、もっと面白くしていきたいと思います!