寝過ごしたら佐賀でした


ん、ここはいったい?

 

 

聞き慣れない駅名のアナウンスで目を覚まし、車内を見渡すと乗客がほとんどいない。

 

 

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寝過ごしたという認識はしっかりあったが、体の反応がとても鈍く、その聞き慣れない駅では降り損ねてしまう。

 

 

 

まあ、無理もない。

 

 

しばらくロクに寝てない日々が続き、昨日は東京へ出張。ホテルにチェックインを済ませて打合せに向かい、そのまま流れで飲みに出て、途中で友人と合流。

 

結局、朝まで飲んで今日。そろそろ羽田に向かわねばというところで、ホテルに預けた荷物のことを思い出し、焦ってホテルへ。荷物だけ泊めて1万6千円とは何とも切なかったが、自業自得なので仕方ない。

 

空港で名指しのアナウンスを喰らいながら何とか搭乗し、同乗客におせーよという視線を浴びながら着席すると、隣にはイベントで何度か顔を合わせたことのある知人。それほど親しい間柄ではないので沈黙が辛く、必死で会話を続けるも疲労と酒と眠気のせいか、いつもに輪をかけて冴えないトーク。フライトが異常に長く感じる。

 

そしてようやく地下鉄へ。シートへ腰を降ろすと、タイミング良くすぐに出発。向かいに座っている学生らしき青年がスマホを3台使っていたという思い出あたりから記憶がシャットダウン。冒頭の「ここどこ?」となる。

 

 

 

時計を見ると、地下鉄に乗ってから1時間ほど経っているようだ。

 

 

とりあえず、次(の駅で)で降りよう。

 

 

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。。。。。

 

 

見ての通り、誰もいない。

 

 

一緒に降りた人もいないようだし、どうやら駅員さんもいない無人駅のようだ。

 

 

福岡の方であれば当然ご存知だろうが、地下鉄空港線は「福岡空港駅」を起点に「博多駅」や「天神駅」という中心部を経由し、「姪浜駅」からJR筑肥線に接続して地上へ。そこから糸島エリアを縫って佐賀県の唐津市まで繋がっている。

 

 

 

そして、ここはどこかというと、虹ノ松原(にじのまつばら)駅。

 

 

 

ルートは↓こんな感じだ。

 

 

福岡空港 → 始発/ここから乗った

東比恵

博多

祇園

中洲川端

天神

赤坂 → 自宅の最寄り駅

大濠公園

唐人町

西新

藤崎

室見

姪浜         地下鉄空港線

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

下山門           JR筑肥線

今宿

九大学研都市

周船寺

波多江

筑前前原

美咲が丘

加布里

一貴山

筑前深江

大入

福吉

鹿家            福岡県

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

浜崎            佐賀県

虹ノ松原 → いまここ

東唐津

唐津

西唐津 → 終点

 

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という具合で、完全に佐賀県に突入していたのである。

 

 

これはあとから調べて分かったことだが、始発の「福岡空港駅」からは昼の時間帯であれば1時間に10本前後の電車が走っているようで、終点は「姪浜駅」「筑前前原駅」がメインで「西新」「筑前深江」「西唐津」が終点という車両はかなり少ないようなのだが、たまたま一番遠くまで走る車両に乗っていたようだ。

 

 

話は戻って「虹ノ松原駅」に降り立った僕であるが、福岡R不動産スタッフの中で最も西側に弱い人間ある(その理由は海とサーファーが死ぬほど怖いので糸島エリアを避けている)からして、当然このあたりに足を踏み入れたこともなければ、聞いたことすらない。

 

 

疲労困憊の状態からしてすぐに帰りの電車を待つのが正解、だと正常な状態であれば判断できるのだがこの時の俺はちょっと違った。

 

 

 

少し歩いてみるか。

 

という閃きが過ったのだ。

 

 

理由は幾つかある。おそらく脳みそがトランス状態をキープしていたのであろう、ちょっと寝ただけで体力が回復したかのように錯覚したこと(これが大きい)。

 

 

駅名がちょっと素敵だったこと(多分「浜崎駅」とか「福吉駅」だったら帰ってたかもしれない)。

 

 

駅舎の雰囲気が好きだったこと。天気が良かったこと。知らない街での思いがけない出会いを期待したこと。などなど。

 

 

 

 

結論からいうと、この選択はクソつまらないデスロードをひたすらに歩き、飢え死にしそうになり、最終的に辿り着いたイオンのフードコートで飯を食って一命を取り留めたことになるのだが、住民の皆さんも悪く思わないで欲しい。悪いのは俺だから。

 

 

そんな結末が待ち受けているとは露とも知らず、無人改札を抜けて松原へ。

 

 

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この後の写真もあるにはあるので、傷が癒えたら書きます。でも絶対つまんねーよ。