突然の出会いというものがある。
事務所の近くのフレッシュネスバーガー。
特に腹が減っていたわけでもなかったが、最高にオシャレなひとときを過ごしたかった僕はそのフレッシュネスに導かれた(というより店員さんが可愛かった)。
仕事のメールの返信をしようと、ポケットWi-Fiを起動し、PCがネットワークを検知し始めた時のこと
。
右下、ネットワーク名の最後尾に注目。
今、真ん中あたりにきてる。
こいつだ。
俺のもなか?
芸術が爆発しているが、どうやらネットワーク名のようだ。
とりあえずスクリーンショットにおさめるものの、どうしていいのか分からない。
発表したいが連れもいないし、フロアには僕だけだ。
こういうのを突然の出会いというのだろう。
普段「会う」という行為の前にスケジュールや場所をやりとりすることに慣れ過ぎた我々は、突然の出会いというものに実に弱い。
近い間柄でありながら、偶然、街でばったりなんかの場合、妙にぎこちない時がある。
なんか臭いな、と思って靴の裏を見たときにくっ付いているアレもそうだ。
出会う準備が出来てないから、会話を、処理を考える。
話を俺のもなかに戻す。
もなか。漢字で書くと最中である。
何処の誰かは知らないが、俺というそいつのど真ん中に赤の他人の僕がアクセスをしてもいいものだろうか。
俺のもなか。
俺を私に変えると、響きがいやらしい感じになる。
もなかをモニカに変えても只ならぬ関係を醸し出す。
強引だが、ここはハンバーガー屋。
挟むという意味ではどちらも同じ、肉を挟むか、小豆を挟むかだ。
ひょっとするとフレッシュネスのウィットに富んだパフォーマンスなのか。
考えるも、もなかに会う準備が出来ていない僕は、完全に意味不明な思考を辿るのみ。
そうこうしている間に俺のもなかはネットワーク一覧から姿を消してしまったのだが、その後も思いのほか喪失感が続いていたので、色々調べていると結構たくさんあるようだ。
http://matome.naver.jp/odai/2133851998594363201
このまとめを見ることで、「ああ、何かそういう流れもあるのね」と、気持ちもすっきりしつつ。ただ、当初予定していたメールの返信は結局できぬまま。
取るに足らない出来事だったが、こんな出会いにも殊更深みを感じようとしてしまうから秋という季節は厄介である。